幼なじみは先生



「美味しいね」


『おう』


何十分かして食べ終えて代金を払い終えると車に乗り込んだ


「はぁ…ごめんね。いっくん」


『いいって。あれぐらい』

家に財布忘れてたなんて…

おまけにいっくんに奢ってもらちゃったし…

「絶対返すから!一生かかっても!」

『一生って…850円をそんな』

ハハッと笑ってクシャッと頭を撫でられる

「一生はかからないとおもうけど明日にでも返すから」

『ハイハイ』

運転をしながらコーヒーを飲むいっくん

『タバコ…すっていいか?』

いっくんが申し訳なさそうにたずねてきた

「いいよ」

笑みを浮かべて答える

だって、いっくんのタバコの匂い…

好きだから‥‥

『ありがとな』

笑って換気せんをつけるとライターで火を点けてタバコを吸った

別に換気せんなんてつけなくていいのに‥

さり気ないいっくんの優しさが身にしみる

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