幼なじみは先生


「連‥‥」


『あぁーくそっ』


なんて言ってフイッとあたしを切なそうに見つめる

『泣くんじゃねぇよ…』

ポンポンッと頭を撫でられた


泣いてなんか…


頬を触ってみるとツーッと指先が濡れた


だって、だって…

気持ちに応えてあげれなくて…

あたし、最低だ……


「ありがとっ…ありがとう…ッ」


あたしは何度も連にそう言った


『じゃあな、伊藤』


「また、明日ね!!」


クルッと向きを変えて歩いていく連の後ろ姿


「ありがと…連」


そう呟いて笑みを浮かべるとあたしも自分の家へと歩き出した


まさか…あんなことに繋がるなんてこの時は全然思いもしなかったんだ―…


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