幼なじみは先生

「こと‥」

「聞こえないけど伊藤さん」


「あたしがそんなことするわけないでしょ!
ふざけないで!だったら貴方はどうなの?石川先生にいっつもべったりじゃん!貴方も人のこと言ってられないでしょ!
あたしにそういうこと言うならあんたはどうなの?大体ねぇ見てれば分かんのよ石川先生が好きだって!あたしがそんな素振りしてると思う?」

ハアハアと息を切らす


「な、何よ!伊藤さんはそんなこと言ってるけど本当は好きなんじゃないの?」

「だから‥っ―――」

後ろから口を塞がれた

関川さんがハッとした顔をして暗くなった


『どういうこと、その写真』

「えと、これは朝学校に来たら下駄箱に入ってて…」

関川さんがもじもじ話す
『じゃあ、これは何?』
いっくんはそう言ってまだあまり消されていない黒板を指差した

「ごめ‥んなさい」

遂には瞳に涙を浮かばせた

『はぁ。もういいから席着け、後伊藤と俺は付き合ってないからな。先生と生徒が付き合うわけないだろ』

ズキン…

胸が痛い

いっくんの一言でみんな席に着いた


胸が、痛い。もう嫌だ…

授業中の説明は耳に入らない。

早く、早く時間、進め!
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