君のもとへ
兄はゆっくり話し始めた。
「実は...俺さ。不良なんだよね?」
と苦笑していってきた。
「で。俺さ...自分で言うのもあれだけどね?ケンカかなり強いわけよ。」
へぇー...不良とは知ってたけど
ケンカ強かったんだ。
「で、容姿だって悪くはないでしょ?それで...最近つーかかなり前から何だけどケンカ売ってくる奴が増えたんだよ。」
「うん...。それで?」
兄は私を一回見て話し始めた。
「はじめは2、3人で楽だったんだよ。それが...ある日突然、大人数になってさ...」
1人に多勢って卑怯じゃん。
「でも...そいつらの目的は俺じゃなかったんだよ。」
「お兄ちゃんじゃなかった?」
「あぁ、奴等の目的は俺の家族。つまり...父さん・母さん・流唯ってわけだ。でも俺は...お前だけだと思う。」
「えっ?私?なんで?」
兄はフーッと息を吐くと
「分かってる?お前は女でしょ?で、相手は男。力では叶うはずないでしょ?だから...お前を人質に使うか、お前を傷つけようとしたんだと思うんだ。」
「だから父さんに話してこの事について決着を付けるまでどこかへ引っ越してほしい。と」
そして深々と頭を下げ
本当にすまなかった。
と改めて謝ってきた。