初夏
出会い
「あっついねぇ~」

暑いと言いながらも俺にベタベタとくっついてくる実里。実里は俺の彼女であり、一番の要注意人物でもある。

確かに、俺は実里に愛され愛していた。でも今じゃ1年も経てば愛は薄れてくる。そして、実里は違う奴に目を向けている!って噂で聞いた…。俺も俺で彼女実里には構わなくなってきて、男友達と騒ぎっぱなしだ。

俺にも悪い部分はあるかもしれないが、そこは目をふせている。

「これでも6月かょおッ!!」

俺の隣にいた牧原が大声で叫んだ。

「確かにあちぃょ…まだ6月だから学校もクーラ-入れてくれねぇし…そして隣にはラブラブがいてうぜぇし…」

牧原にノルかのように鶴田がウチワでTシャツの中を扇いでいた。

キャハハッと実里は高い声で笑った。

甘ったるい声だ。

「んぢゃあ!ジュース買って来るよッ!」

実里は余分に大きな声を出して立ち上がった。

「皆何がお好み??」

牧原と鶴田はそれぞれ応える。

「俺は…」

「拓は甘ったるいもの以外ならなんでもぃいんでしょ?」

俺の注文を聞かないで実里は言った。…まぁ当たってたけど。

実里は俺の返事を聞かないでトコトコと行ってしまった。

「甘ったるいのも嫌いだし、お前の声も嫌い」

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