初夏
俺はボソリと呟く。

牧原と鶴田には聞こえているか分からないが二人は暑そうな顔をしてウチワで扇いでいた。

3人は沈黙が続くなか沈黙を破ったのは鶴田だった。

「今度どっか行かない?」

鶴田は気を使ったのか話題がないのか下らないコトを提案した。

牧原と俺は微妙な反応。
それもその筈だ。

俺と牧原は鶴田に比べて行動を起こす奴ではない。
なんせ、ダルいとドタキャンを普通にしてしまう。俺はドタキャンをしてもなんとも思わない。たぶん牧原も一緒だろう。

「ぇええ~…」

鶴田も提案したのが下らないと思っているのか直ぐに提案は潰れた。

でも…

「ぁたしもどっか行きたぁぁあいッ!!!」

甘ったるい声の元は実里。

実里は両手にいっぱいのジュースを抱えてニコニコしている。

実里が言い出したことは必ず行動を起こすコトになる。

…めんどくせぇ。

頭に浮かぶだるそうな声。

でも…これをドタキャンなんてことしたら周りの女子がまたグチグチという。ッて周りを見て知ったことだけど。

「ディズニーランドはどう?」

無謀な提案。

「それは無理無理。俺のばいと代ぢゃあディズニーランドなんて天国さ…」

牧原が呟く。

「俺達無理ぃい」

ダルそうに俺も言う。

「ぇええ~」
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