あくま彼女

「失礼します。
ミレイ・ミフィーネです。」


「入れ」


普段絶対入れない。
絶対領域のあくまの王の間。


顔は見えないけど、威圧感だけで緊張する。


この、あたしが。


「ミレイ、おまえがいつもトップの小あくまだな。」



「はい。」


汗が頬を伝う。

この、あたしが。

あくまを前にして冷や汗をかくだと?


「おまえには一足先に最終あくま昇格試験を行ってもらう。」



――え?


「・・・ほ んとう、ですか?」


同期のみんなよりも
はやく・・・


「ああ。内容は『人間の恋心を奪うこと』」



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