二人の虹
「ウチはそんな裕福ではありません。隆一も、今度高校入学だし、とにかくお金掛かるんだから」

ネッ〜。


「何でちょうど3歳違いで造っちゃったの」

ゲっ、ヤバくない、そのセリフ?。

「バカ!、何て事言うの!」

そういう事はお父さんのせいにしなさいって〜。

「いつまでも子供じゃありません」

さっきお母さんに言われたじゃん。逆手にとるわけ?。

「晴美、大学でヘンな人と付き合わないでよ…」

「大丈夫よ、見る目あるんだから」
「そう?」

あまり信用ないみたいだよ、晴美。

父である祐司は娘の旅立ちを、シッカと見送らなければ…と、玄関の外で待機している。

勘違いしてないかなあ〜晴美〜荷物と一緒にトラックで運ばれちゃうの?。

「オーイ、来たぞ!」

運送屋さんのトラック、来たみたい。

「お父さん、荷物まだ部屋だって!」

全く何を〜。

と言いたげな祐司。

「すみません、荷物、まだ下ろしてないんですよ…」

釈明なんて要らないって〜。

「ああ、結構ですよ。僕がやりますから」

「すみませんね。お手数掛けちゃって」

「いえ、その位はどこでもやりますって」

なんとかなるもんでしょ〜。
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