音速より速く。【短編集】
「おい、この前一緒に居た男誰だよ!?」


とあるカフェ内で、眉間にシワを寄せた、所謂“彼氏"って人が私を睨む。




「この前っていつ?」


「土曜!!その日用事あるつって俺の約束断ったじゃん!!俺よりそいつ優先すんのかよ!?」



あ~、土曜日ね。

てか、男と居た事が問題なより、“俺"の約束断った事が問題なの?




「ただの男友達だし。束縛とか止めてくれない?」


「はぁ!?何だそれ。束縛っていうか、彼女が他の男と居て、何も言わない方がヤバくない!?」




…別に、私はあんたが誰といようがかまわないけどね。



「私、そういうの嫌いなんだけど。お互い自由にやった方が楽しいじゃん?」



「自由とかいう問題じゃないだろ!?」



あ~、面倒くさい。

もう潮時かな。




「うちらさ、価値観合わないみたいだし別れない?
じゃあね。」



そう言って、席を立つ。


「ちょ、ミキ待てよ!!」


腕を捕まれ、進行を阻まれる。




「離して。こうゆうの本当にウザい。」



「お前何様のつもりだよ!?」


男は私を一睨みして、店を後にした。
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