音速より速く。【短編集】
「ちょっとミキ、アツシくんと別れたって本当?」

学校に着くなり、トモコは地球がひっくり返ったくらいの勢いで詰め寄ってきた。


「…え、そうだけど。」



「うそー!!信じらんない!!アツシくん、超イケメンだったのに!!」


トモコは頭を抱え、机に雪崩れ込んだ。



「何か価値観合わなくてさ。」


「価値観って…、もったいないー!!あんなイケメンなかなかいないよ!?」



「…まぁね…。」


「ミキって、本当淡白だよね。モテるのにもったいないよー。」



「そう?普通じゃない?」


「そんな事ないから。ミキって今まで本気で人を好きになった事あるー?」



本気で人を好きに…?


今までの短い人生を振り替えってみたけど、いまいちピンと来ない。



「もしかしてないかも…。」


「そっかぁ。ミキが本気で好きになる人ってどんな人なんだろ。ちょっと楽しみー。」



そんな人現れるんだろうか。
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