ピンチヒッター
「お守り、逆効果だったね・・・・・・」

“スーパーエース”の桜庭亮が打たれて

“スーパーピンチヒッター”の正太が打てなくて

・・・・・・失敗したなぁ

「そんなことねぇっ!!」

桜庭亮が語気を強めて言った

「ありがと。そう言ってもらえると嬉し・・・・・・」

「嘘じゃない!!
このお守りに何度も力をもらったんだ!」

桜庭亮はポケットからお守りを取り出して、言ってくれた

「でも、怪我したよね」

「・・・・・・!」

「ホームに突っ込んだ時、足痛めたよね」

ここまで移動する時も、足を気にして歩いてたし

「お前、すげぇな。
確かに・・・・・・怪我してるよ」

「じゃあ・・・・・・」

あたしのせいじゃん

お守りが効かなかったどころか―――

「でもお前のせいじゃない。
怪我だってピッチングにあんまり影響無かったし、普通にやれば抑えられたんだ。
ただ、お守りがメチャクチャ力をくれるから。
それに頼りすぎたかもしれない。

俺の弱さのせいだよ。
お前に責任感じさせるような負け方して、ごめん」
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