ピンチヒッター
「あのさ、一つ聞いてもいい?」

「何だ?」

「敬遠のこと・・・・・・どう思う?」

「俺は好きじゃない。

でも正当な戦術だと思うし、
うちに勝つための最善策だったとは思う。
あそこまでされたら、しょうがないよな」

「そっか・・・・・・」

「ていうか、敬遠のおかげでますます甲子園に行きたくなったよ」

「どういうこと?」

「だってあいつら、去年甲子園でベスト16になってるんだぜ?
プライドだってあるだろ。
でも、それでも、敬遠までして行きたい場所なんだって思うと、どんなにスゲェんだって思うじゃん」

「相手の監督が、自分の実績のために敬遠させたのかもよ?」

「それでもだよ。
人生変えるくらい、凄い場所だってことだろ?」

桜庭亮は笑顔だった
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