ピンチヒッター
ファーストフード店に連れて来られた

野球部のユニフォームってだけでも目立つのに

長身でイケメンってことで余計に注目が集まっている

桜庭亮はそんなこと気にせず、ジュースを買って席についた


「正太と何かあっただろ」

桜庭亮は鋭い目つきで睨んでくる

「何のこと?」

「とぼけんなよ。
お前達の様子見てたらバレバレなんだ」

「あんたには関係ないでしょ!」

「関係あるんだよ。
最近、正太の奴集中力が落ちてるんだ。
甘い球を簡単に見逃しやがる。

でもそんなんじゃ困るんだ!
次の試合は去年のベスト4、
俺達の実力を試すには持って来いの相手だ。

正太には、いつもの調子で戦って欲しいんだ」


正太、正太ってうるさいなぁ

「そんなに正太が気になるなら、
直接本人に聞けばいいでしょ!」

あたしは鞄を持って立ち上がった

「待てよ」

でも、腕をつかまれた

「元気のないお前をこれ以上見てられないんだ」
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