Honey★Prince
「………変な人…」
ボソッと夏希ちゃんが呟いた。
「聞こえてるよ??」
「なんか、人に話したらすっきりしました。」
夏希ちゃんは座ったままグイーっと背伸びをした。さっきよりもいい顔をしている。
「そっか、またなんかあったら話してね?」
「あのっ、兄にはこのこと内緒にしてくださいね……?」
「うん。もちろんだよ!」
「それと、あたしまだ諦められないんで……。長い間好きだったから、そう簡単には……」
「うん。そっか……」
あたしは急に不安になってきた。兄妹に恋をしている夏希ちゃん。その兄の彼女であるあたしは相談にのっている。あたしはこのまま、夏希ちゃんに春人を渡しちゃう気がしてきた。
兄妹だけど、身近な存在。夏希ちゃんにとられてしまう気がした。もし、夏希ちゃんの想いをしったら春人はどうする?
「華さん……。安心してください。あたし、兄に好きって言うつもりありませんから。だから、華さんの彼氏とりませんからッ!!」
夏希ちゃんはあたしの心を読んだかのように言った。