Honey★Prince
「明日は俺とお昼食べよーよ」
ニコッとして、浪川くんが誘ってきた。だが!だが、断る!!
「ごめんね……。無理っ!」
そう言って、あたしは麻耶の手を引っ張って食堂を走り去ってしまった。
――――………
「はぁ…、はぁ……ごめん!麻耶!」
「ホントよ……。いきなり走らないでよ」
うぅっ……すみませぬ;
「あれぇ~?華ちゃーん」
ギクゥッ!!
この甘い声の主は……
「は、春人~ι」
なぜか、ひきつってしまう笑顔であたしは春人の方に振り返った。
「こんな所でなにしてんのー?」
この通りは3年生が多く利用し、1・2年生はあまり通らないので珍しいのだ。
「えーと……、食後の運動を。ねぇー、麻耶?」
「う、うん。まぁね」
「へー、そうなんだぁ」
春人はあまーいミルクティーを飲みながら言った。あいからわず甘党だなぁ……。
「あっ!高宮さん、はっけーん!!」
春人と話してたら浪川くんに見つかってしまった。え、なにこの鬼ごっこ状態……。