Honey★Prince
コンコン――……
「失礼しまーす」
俺は保健室のドアをノックして入った。
「どうしたの?」
保健室の先生が言った。ショートカットで丸い眼鏡をかけていて、中年の女性の優しそうな先生だった。
俺は、あまり保健室にお世話になっていないので先生の印象が薄い。
「あの、体育の授業の時に急に高宮さんが倒れてしまって」
「あらあら、高宮さんったらまた、栄養不足かなんかかしら?」
“また”ということは高宮さんはよく倒れるのか?
「そのまま、ベッドに寝かせてちょうだい」
「はい……」
俺は言われた通りに高宮さんをベッドまで運んで寝かせた。
「ありがとうね。もう、授業に戻って良いわよ。」
ニコッと保健室の先生は笑って言った。
また後で様子を見に来ようと思い、俺は保健室を出て、体育の授業へと戻った。