Honey★Prince
春人は、拳を握った右手を大きく振りかぶった。
そして、その拳は――……
ボスっ――……
あたしの頭の下にあった枕が攻撃を受けた。
そう、あたしがとっさに枕で浪川くんをガードして、春人のパンチを受けた。
「華ちゃん?」「高宮さん?」
二人の声が重なった。
「……だめ。殴っちゃだめだよ。……喧嘩しちゃだめだよ。」
あたしは必死に二人に訴えた。もし、春人が浪川くんを殴ったりなんかして問題になったらヤだもん……。