Honey★Prince
「じゃあ、蜂矢先輩。ごゆっくり。俺は高宮さんを貰っていくんで」
そう浪川くんが言ったが、俺は何も言えなく、ただ明日香先輩に腕を引っ張られて行くだけだった。
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「明日香先輩……ιいい加減離して貰えませんか?」
一緒に廊下を歩く、俺の腕を掴んだままの明日香先輩に俺は言った。
俺と明日香先輩への皆の視線がすごい。
「あら、嫌なの?」
「いっ、いえっ!!!」
妙に笑顔なのが逆に俺には怖かった。
「てか、明日香先輩?なんでまだ高校生やってるんですか?」
そう、明日香先輩は先輩だから俺より1つ年上で本当だったら去年卒業のはずだ。
「ちょっと1年間ほど、学校に行けなくってね。それで留年になっちゃったの」
「そうなんですか」
1年間なにがあったんだろう?