Honey★Prince




「じゃあ、その関係はなに!?」



谷原はビシッィと俺たちを指さした。




「えっ、……あ!これは違う!誤解!」




俺は慌ててくっついていた明日香先輩を離した。




「酷いわ。春人ぉ」




明日香先輩は瞳を潤ませて甘えた声で俺に言ってきた。




「はっ、春人ぉ!?」




ずっと黙っていた華ちゃんが声をあげた。




「やっぱり、2人は今でも愛し合って……」




ちちちっ、違う!愛し合ってないし!ってか、今でもって!過去にもないから!



「そぉよ♪私たちは今でも愛し合っているの」




明日香先輩がそう言うと華ちゃんは少し涙目になりながら




「は、は、春人のあほんだらぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」



あほんだらぁぁあぁ


ほんだらぁぁ


んだらぁ


らぁ




何度も俺の頭の中で華ちゃんの言葉がエコーされている時、全速力で廊下を走っていってしまった。谷原も慌てて華ちゃんを追いかけようとする。




「蜂矢 春人!華を泣かせるなってあたし言ったわよねぇ!?後で覚えとけよ、童顔!」





その言葉だけ残して谷原は華ちゃんを追いかけて行った。





最後の言葉はいらないだろぉ。俺、深く傷ついたよ……。










< 208 / 249 >

この作品をシェア

pagetop