Honey★Prince
「じゃあ、その関係はなに!?」
谷原はビシッィと俺たちを指さした。
「えっ、……あ!これは違う!誤解!」
俺は慌ててくっついていた明日香先輩を離した。
「酷いわ。春人ぉ」
明日香先輩は瞳を潤ませて甘えた声で俺に言ってきた。
「はっ、春人ぉ!?」
ずっと黙っていた華ちゃんが声をあげた。
「やっぱり、2人は今でも愛し合って……」
ちちちっ、違う!愛し合ってないし!ってか、今でもって!過去にもないから!
「そぉよ♪私たちは今でも愛し合っているの」
明日香先輩がそう言うと華ちゃんは少し涙目になりながら
「は、は、春人のあほんだらぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」
あほんだらぁぁあぁ
ほんだらぁぁ
んだらぁ
らぁ
何度も俺の頭の中で華ちゃんの言葉がエコーされている時、全速力で廊下を走っていってしまった。谷原も慌てて華ちゃんを追いかけようとする。
「蜂矢 春人!華を泣かせるなってあたし言ったわよねぇ!?後で覚えとけよ、童顔!」
その言葉だけ残して谷原は華ちゃんを追いかけて行った。
最後の言葉はいらないだろぉ。俺、深く傷ついたよ……。