Honey★Prince
教室に入ったら、麻耶が慌ててあたしの方に来た。
「華――――!大丈夫!?」
「うん。もぅ平気だよ。」
「そっか、よかったぁ。今度からちゃんと言ってね!?」
「ん……。ありがと」
麻耶は、ホントにいい子だ。
「で、蜂矢春人となんかあったぁ?」
麻耶はニヤニヤしながら聞いた。
「べ……別になんもないよ」
「へぇ~、怪しいなぁ」
「いやいや、なんもないですよ」
「華、あたし思ったんだけどさ。華を階段で押したのって、蜂矢春人のことが好きな子がやったんじゃないかなぁ」
麻耶は真剣な表情で言った。
「……え?でも、なんであたしを??」
「そりゃ、蜂矢春人が…………」
??
「なに?」
「やっぱいい、なんでもないやぁ」
「そぉ?」
キーンコーン
カーンコーン――………
午後の授業のチャイムが鳴ったので、あたし達は自分達の席へと戻っていった。