Honey★Prince
「これでいいのかな?」
あたしは裁縫道具を持って被服室を出ようとした。
その時――……
ドサッ
「かはっっ」
いきなり、誰かに押し倒された。
裁縫道具は床へと散らばった。
あたしの上には知らない男がいた。
黒ぶちのメガネと真っ黒の髪をした男子。
いかにも暗そうな人だけど、メガネを取ったら、そこそこかっこいいと思う。
そして、その男子が口を開いた。
「ずっと、好きだった。高宮華――……」
へっ?
彼はあたしの唇を奪おうとした。