Honey★Prince
「華~、なにしてんの?遅いよ」
廊下から、麻耶の声が聞こえた。
「麻耶!!助けて!」
あたしが麻耶を呼んだら、麻耶は勢いよく被服室のドアを開けた。
バンッ――………
「華ッ!!ちょっと、華になにしてんの!?」
「ちっ」
彼は舌打ちをして走り去ってしまった。
「華、大丈夫?」
麻耶はあたしを抱きしめた。
「ひっく……ひっ…く……ふぇ~、麻耶ぁぁあぁ、怖かったよぉ………」
「よしよし……。怖かったね。ごめんね。華を一人で行かせて」
あたしは頭を横にふった。
あたしはただ泣いているだけだった。