Honey★Prince
☆Side 蜂矢先輩
タッタッタッ――……
放課後の誰もいない廊下を俺はひたすら走った。
愛する人がいる教室へと。
ガラッ――……
俺は教室のドアを開けた。
そこには、窓際の席に顔を机に伏せている華ちゃんの姿があった。
「……は…なちゃん?」
俺は華ちゃんの呼んだ。
「あ………、先輩……。」
華ちゃんの目は酷く腫れていた。
俺は胸が痛くなった。
どうして、大事な人を俺は守ってやれなかったんだろう。
俺は華ちゃんの前の席に座った。
「谷原から、聞いた………。」
さっき、谷原が俺のクラスまで来て教えてくれた。今日華ちゃんにあった出来事を――……
華ちゃんはちょっとビクッとし、辛そうな顔をした。
きっと、思い出したくもないのだろう。
「ごめん……。俺、肝心な時に華ちゃんを守ってあげられなかった………。」
「べ……つに……平気…です。」
全然、平気そうじゃない。