Honey★Prince
華ちゃんはそのまま逃走してしまった。
「華ちゃんッ!!」
「春人……」
俺は華ちゃんを追いかけようとしたが玲菜に腕を掴まれた。
「春人、今の彼女?」
「違うよ。俺の一番大事な人!」
そう言って、俺は玲菜の手を振りほどいて華ちゃんを探しに向かった。
華ちゃん、急にどうしたんだろう。
自分もいちごみるく飲みたかったのに売れ切れちゃったから、俺に当たったとか?
俺が……玲菜と話してたから?
んなわけないか……、華ちゃんがヤキモチみたいなことしないよな……。
何処にも華ちゃんの姿が見つからない。
何処に行ったんだ?
「あっ!春人!!」
後ろから、誰かに呼ばれた。
振り向くと、
「なんだ、和哉か……。」
「なんだじゃねぇよ。お前、もうすぐ出番だぞ」
「うそっ、やば。もうこんな時間じゃん」
「早く、準備しに行くぞ」
俺は、華ちゃんを見つけることができないまま、『タコになったお姫様』の準備に行ってしまった。