ガジュマルの木の下で
私が高校に入学したころが
一番家の中は荒れていた。

お父さんは次から次へと借金を作る。
お母さんはそれをヒステリックに罵る。
お兄ちゃんはそれを一歩下がって見ていた。
弟はいわゆる思春期で
家の壁を壊したり暴言を吐いたりを繰り返した。

細い糸でしか繋がれない時期があった。
だけど同じ屋根の下で生活が出来ていた。


そんな家族のバランスを崩したのは私だ。


その当時、私には
どうしようも無いくらい好きな人がいて
その人に構って欲しくてやってはいけないことをした。
それからだ。
お父さんは居なくなり
お母さんには彼氏が出来た。
お兄ちゃんと弟は家を出た。
そしてこうして
私も家を離れた。

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