ガジュマルの木の下で
けんさんも元々
この家の居候だったということ。この家は喜志ちゃんのお祖父さんとお祖母さんが住んでて、そこで喜志ちゃんは育てられたということ。

そこまで話すと
「あとのことが知りたいなら、本人に聞きな。俺から話すと喜志に失礼だ。」

と言って
私の頭をポンと触り、台所へと行った。
私も慌ててごちそうさまでしたをして、お皿を洗った。
お皿を洗いながらぼんやり考えていた。
家のことや仕事のこと
もちろん喜志ちゃんのことも。
考えはまとまらないけれど
同じことを何度も何度も
考えずにはいられなかった。

< 16 / 63 >

この作品をシェア

pagetop