ガジュマルの木の下で
海岸線へ出ると、喜志ちゃんは防波堤の上を歩いた

私はまだ下を歩いていた。
私からは海は見えない。

「ショーコ。もんだいね」
「ん?」

「海の色は何色でしょうかー!」

私はすかさず答えた。
いつも職場のレストランからも見えている。

「青。」

「青なの?」

「え。違うの?」

「喜志には何色なのかわからない」

そう言われて私も防波堤の上に登った。


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