ガジュマルの木の下で
太陽が反射して、白や金や銀。淡い水色。深緑。そして紺色。

「すご…」

私はそんなことしか言えなかった。


「何色?」

もう一度聞かれ
祥子は目を閉じた。


そして微笑む

「私にもわからないや」


喜志は祥子の手を繋ぐと
引っ張りながら
ゆっくりとゆっくりと歩いて行く。


ぎゅっ ぎゅっ と
力強く握りながら


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