ガジュマルの木の下で
海の色は青。
私にとってそれは当たり前のことだった。
だけど、どうだろう。
この土地の海の色はなんとも言えないし、私が育った土地は工業地帯だから海は灰色のような紺色のような
濁った姿を見せている。
ちゃんと向き合えば
海の色は青だけじゃない。
暫く歩くと防波堤からビーチに出て、私の働くホテルもすぐそばに見える。
喜志ちゃんはいつの間にか裸足になっていて(履いていた草履は行方不明)
足を砂に埋めながら
またドンドン歩いて行く。
ビーチを通り過ぎ、海辺の林の中へと入って来た。
それまで黙々と歩いていた喜志ちゃんは振り返り
「ここで健を見つけたの」
と言うのだ。
ここで って ここで?
と言ってしまいそうな程の
普通の林
何の特徴も無い
そんな林
「けん、ここにテントはって寝てたから。喜志がひろった」
当時の様子を再現しようと
ちょこまか動く喜志ちゃん
「というわけさね。じゃ、行こうか」
しばらく説明をした後、喜志はまた歩き出した。
「どこまで行くの?」
不安になった祥子が尋ねる
喜志は歩きながら答える
「クジラ…探しに行こう」
私にとってそれは当たり前のことだった。
だけど、どうだろう。
この土地の海の色はなんとも言えないし、私が育った土地は工業地帯だから海は灰色のような紺色のような
濁った姿を見せている。
ちゃんと向き合えば
海の色は青だけじゃない。
暫く歩くと防波堤からビーチに出て、私の働くホテルもすぐそばに見える。
喜志ちゃんはいつの間にか裸足になっていて(履いていた草履は行方不明)
足を砂に埋めながら
またドンドン歩いて行く。
ビーチを通り過ぎ、海辺の林の中へと入って来た。
それまで黙々と歩いていた喜志ちゃんは振り返り
「ここで健を見つけたの」
と言うのだ。
ここで って ここで?
と言ってしまいそうな程の
普通の林
何の特徴も無い
そんな林
「けん、ここにテントはって寝てたから。喜志がひろった」
当時の様子を再現しようと
ちょこまか動く喜志ちゃん
「というわけさね。じゃ、行こうか」
しばらく説明をした後、喜志はまた歩き出した。
「どこまで行くの?」
不安になった祥子が尋ねる
喜志は歩きながら答える
「クジラ…探しに行こう」