ガジュマルの木の下で
彼女が米軍基地をいらないと言うことは、彼女は自身の存在を否定したということで。
実際はそんなに重苦しい物では無いのかもしれないけれど
私にはそう聞こえていたし、きっと喜志ちゃん自身も
そんな決意の上での言葉だと思っていた。


「喜志ね…」
と彼女は続ける
「基地の無いこの島を見てみたい。だけど、今、基地が消えればいいとも思えない。矛盾してるけど。」

クスッと笑う喜志ちゃんの顔は、もう曇ってはいない。彼女は凄い
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