ガジュマルの木の下で
居間の棚の上に古い写真が飾ってあった。
産まれたばかりの小さな赤ちゃんを女の人が抱いている写真。
綺麗な人だった。

手に取った写真を元の場所に起き
振り返るとソファーに喜志ちゃんが座っていた
(いつの間に)

「ショーコ。カフェオレいれて」

そういって喜志は、体をソファーいっぱいにのばして
額に汗を滲ませていた。

私は急いで台所へて行き
喜志ちゃん用の小さなグラスに氷をいれた。
カラン カラン
と、涼しげな音がした。

まだ4月。
この島では既に夏のようだ
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