ガジュマルの木の下で
喜志ちゃんの手は小さいけれど暖かい。
触られていると
大丈夫だよと言われているようで、大好きだった。
こんなに暖かい手の人は、きっと愛されて育ったんだろうな…とは思うけれど、喜志ちゃんは殆ど、自分の小さかった頃の話をしない。

だけど近所のおばさんの話では、小さい頃から今のように大層可愛らしかったと言う。外国人があまり住んでいない田舎の町で、この子の存在は目を惹いたと言う。そして皆に可愛がられ、愛されて来たのだと。

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