ガジュマルの木の下で
海岸線を歩きながら
私は大きなあくびをした。防波堤の上に乗り、喜志ちゃんのように両手を広げて歩いた。
レストランの制服の上にパーカーを羽織っただけの格好で、靴は革靴だし。
この格好は最高に海に似合わない。
だけどそんなことはどうでも良かった。踵が磨り減るのもお構い無しで
私は踵を鳴らしながら歩いた。

カラッ カラッ と靴がなる。
コンクリートで擦れて良い音が鳴る。
毎日、この瞬間が好きだった
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