ガジュマルの木の下で
バスを降り、旦那さんに挨拶を済ませ
家への道を歩いていく。

少し前を歩く旦那さんは私に背を向けながらも
夜ご飯の事を話し始めた。
「子供が来る日はハンバーグって決まってる。」
「今日は特別だからチーズも乗せてやる。」

と、私より10歳ほど歳上であろう彼は、私を思いっきり子供扱いした。
だけどそれは何だかくすぐったくて、心地良かった。

「あれが家だよ」

前を見ると
コンクリート打ちっぱなしの一軒家。家の周りをぐるっと低めの塀が囲んでいるようで、門と玄関の間には赤い車が停めてあった。

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