ガジュマルの木の下で
私は考えるのをやめてしまった。

自分の遺体を眺める幽霊のように、どうしても気持ちと体が一致しない。


前に喜志ちゃんが言ってた
「潜った後はコンクリートの上で寝てから帰る。」

私はそれを聴いたとき、(この人は本能のままで生きてる)と思っていた。


そしてこの時
私も本能のままに生きると決めた。
なんて小さな決意だろう

私は濡れた制服のままで
だんだんと暑くなる日を浴びながら
目を閉じてしまった。

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