ガジュマルの木の下で
診察結果は特に異常無し
私達はそのまま
家に帰ることが出来た

帰りの車の中で
けんさんが切り出した。
「職場には連絡入れておいたから。」
「え?」
「事故に合ったって」

隣で喜志ちゃんが吹き出した。


「事故…ですか?」
「あぁ、うん。誰も『交通』事故とは言って無いからね。大丈夫だよ」

けんさんに礼を言うと
私は窓の外に目をやった
こんな町に
私も住んでいたのかと
改めて考えさせられた。

道沿いに並ぶ木も、軒先に並ぶ花も、どこか私の地元とは雰囲気が違うんだ。
そうか…

こんな島に、こんな街並みに、私も住んでいて…きっと私も溶け込んでいれるんだな
< 54 / 63 >

この作品をシェア

pagetop