ガジュマルの木の下で
初めて 仕事を休んだ。

私は何故か自分の部屋には行かずに、居間で過ごした。


財布もケータイも海の中だ。

幸い、財布の中の現金は数千円しか入っていなかった。
キャッシュカードを止めて貰ったり、海に沈んだ免許証に関することは
ほぼ全て、健一郎さんがやってくれた。私はただ連れられてただけのようだった。

ケータイ…沈めてしまったことはショックだったけど
直ぐには新しいのを買いには行かなかった。

用事が全て済むと
居間のソファーで眠った。
目が覚めると喜志ちゃんが何時ものようにカフェオレを飲んでいた。
ただ、彼女の特等席は、私が昼寝で占領していたため
そのすぐ下に
座りこんでいた。

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