ガジュマルの木の下で
食事の後、私が借りる部屋に案内をされた。
2階の奥の部屋。
部屋に入ってすぐ
やっぱり窓の外が気になった

だけどもう暗かったので
見える範囲も限られていた。
窓を開けると
生暖かい風が入ってきた



部屋の中は綺麗だった。
とても新しいとは言えないけれど、整頓された家具達が並んでいた。
文机に、低めのベッドに、押し入れを開ければ下の段には箪笥が。

私の部屋の入り口にもたれていたけんさんが

「古い家具だけどさ。あると便利だし。まぁ…テレビやCDプレーヤ-とかは用意してあげれんかったけど…下に降りて来ればいいから。」

家具も全て自分で揃えるものと考えていた私には
嬉しい知らせ。
「ありがとうございます」
素直に出てきたお礼に私自身、驚きながらも笑った。


場所が違うことも
枕が違うことも
何も気にならず、祥子は目を閉じた。
一階からは、まだ途中だったDVDの音が流れていた。
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