ダメ王子×わがまま姫
私は気付いたら泣いていた。



神楽の過去。



羽山さんの気持ち。



私は何も知らずに被害者ぶっていた。




『辞めて!!』


瀬本くんが神楽にもう一回殴ろうとした時に私は言った。



「美琴……。」

「大同町……。」



瀬本くんは拳を戻した。



『ごめん神楽……私何も知らなかったの。なのに被害者ぶって。』


私は頭を下げた。



「本当に……被害者ぶって嫌な女。」



後ろから羽山さんが出てきた。



「愛留……。」



「私………ごめんなさい。」



へっ?!



羽山さんが私に頭を下げてる?!


「私、順平が大好きで…皆くんを巻き込んでた。皆くんは皆くんなのにね。私バカだよ。」


座り込んで泣き出した羽山さん。



「順平が死んだのだって皆くんのせいじゃないのに…皆くんをずっと恨んでる自分がいたの。だから皆くんも好きな人と結ばれなくていいなんて思っちゃって。」



私は泣きながら言う彼女を抱きしめていた。




< 147 / 223 >

この作品をシェア

pagetop