ダメ王子×わがまま姫
『羽山さん…泣かないで。順平くんだって悲しむよ?』


なんか彼女を見てると自分と重ねてしまう。


『私も…自分の為なら人を傷つけてもいいって思ってた。結ばれてる二人を引き裂けばいいって。小さい頃から甘やかされてたからね。でも神楽と出会ってから違うって思ったの。』


今なら言えるかもしれない。


『自分が幸せにじゃなくて相手が幸せになればいいって…。』


全部神楽のおかげなのよ。



『だから羽山さんも早くそんな人に出会えたらいいと思う。でも順平くんのことは忘れないであげてね。』



私の言葉にうんうんと頷いた。


「本当にごめんなさい。」



彼女はもう一度深く頭を下げた。



「皆くんの彼女いい人だね。」



そう神楽に言って私の前から去って行った。




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