ダメ王子×わがまま姫
『私…神楽のこと待ってていい?』



「…………。」



“10時発、アメリカ行きの36便にお乗りのお客様は2番ゲートへお越しください”



私と神楽を放送が切り裂いた。



「俺…行くわ。元気でな。」



神楽は私の頭を撫でた。



『神楽!!待ってていいのよね?』


私は神楽の後ろ姿に叫んだ。



でも神楽が振り返ることもないし返事もしなかった。




私は神楽が乗った飛行機を窓に張り付いて見送った。



『うわぁ〜ん。』


私は声を出して泣いた。



やっぱり大事な人っていなくなってから気付くのね。



なんでもっと早く気付かないんだろ。



「美琴お嬢様、これを。」



横からハンカチが出ていた。




< 183 / 223 >

この作品をシェア

pagetop