ダメ王子×わがまま姫
「美琴…なんで神楽と一緒に登校してないの?」



朝、学校へ行くと夏帆がさっそく言った。


「しかも目腫れてるぞ?」


呑気に言ってる和樹くんの様子から2人共神楽のことを知らないんだ…。



『神楽が…アメリカに行ったの。』


私はまた泣きそうになった。



「うそでしょ…。」


「あいつ俺には何も……。」



2人共やっぱり驚いている。


「席に着けー。」


ちょうど担任が入っていたから私達は席に着いた。



神楽の席には……誰もいない。



「えー。急だが神楽がアメリカへ転校した。親の都合らしい。」


先生の言葉でクラスがざわつく。


クラスメートは私のほうをチラチラ見るのが苦しかった。



きっと親の都合なんて嘘。


私には言えない用事があるんだ。



今はそう信じさせて?




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