REGRET ―忘れられない人―



「直さんにもし兄貴じゃない男の子供がいたら、兄貴は愛せる?」



もう少し悩んでくれよ。


あまりの即答に、俺は自分がかっこ悪く思えた。



「ああ。直の子供なら愛せる」



さすが兄貴。


でも、俺も兄貴とちょっと似てるんだ。


俺も、花帆の子供を愛せるって思うから。




「好きな相手に、子供がいたのか?」



兄貴は教師だけあって、核心を言わなくても俺の言いたいことを汲み取ってくれる。



「ま、そんなとこかな」



兄貴は、もう遅いからうちに来るか?と言った。



でも、新婚ホヤホヤの家庭にお邪魔するのは申し訳ないと思い、断った。






< 101 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop