REGRET ―忘れられない人―
「直さんにもし兄貴じゃない男の子供がいたら、兄貴は愛せる?」
もう少し悩んでくれよ。
あまりの即答に、俺は自分がかっこ悪く思えた。
「ああ。直の子供なら愛せる」
さすが兄貴。
でも、俺も兄貴とちょっと似てるんだ。
俺も、花帆の子供を愛せるって思うから。
「好きな相手に、子供がいたのか?」
兄貴は教師だけあって、核心を言わなくても俺の言いたいことを汲み取ってくれる。
「ま、そんなとこかな」
兄貴は、もう遅いからうちに来るか?と言った。
でも、新婚ホヤホヤの家庭にお邪魔するのは申し訳ないと思い、断った。