REGRET ―忘れられない人―



「兄貴覚えてる?結婚したんだ」


兄貴に会わせたことはなかったが、花帆は兄貴を知っていた。

生徒会で一緒だった先輩が兄貴を知っていたとか。



「えーー!!ショック」


花帆は、わざとらしく悲しい顔をした。




「ばかか、お前は」



俺は花帆の頭をポンと叩く。



兄貴がよくやる癖。



「で……結婚式に出席しているときに、花帆のことを考えていた。どうしてるかなって」



ずっと考えないようにしていた。


考えると胸の奥が締め付けられるようだったから、避けていた。


< 111 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop