REGRET ―忘れられない人―
花帆、本当に俺はそう思う。
お前じゃないとだめなんだ。
他の女じゃ、心が動かない。
俺には花帆が必要なんだ。
「これ、愛花ちゃんに買ってきたんだけど」
俺はさっき買ったさくらんぼのグラスを花帆に渡した。
「え、ありがとう。開けていい?」
「いいよ」
花帆は、愛花ちゃんにその箱を見せ、ありがとうって言いなさいって言った。
愛花ちゃんは、あどけない笑顔で、ありがとうって俺に向かって言ってくれた。
「ちょっと抱いててくれる?」
「え、俺?大丈夫かな。泣かないかな」
突然、愛花ちゃんを俺のひざの上に乗せた花帆。
見た目より結構重い。
俺は、愛花ちゃんのお腹に手を回し、ベンチにもたれた。
愛花ちゃんも俺のお腹に体重を預け、足をブランブランさせてご機嫌だった。