REGRET ―忘れられない人―
「俺、子供好きみたい。愛花ちゃんと仲良くやっていける気がする」
「誠人…… 本当にありがとう」
俺は、愛花ちゃんを抱っこしたまま立ち上がった。
駅までの道で、また愛花ちゃんは眠ってしまった。
「よく寝るな。きっと大きくなるだろうな」
「でしょ?本当によく寝て、よく食べるのよ、愛花」
各駅停車の電車に乗り、俺達は座った。
家に来るかと誘われたので、俺は花帆と愛花ちゃんの家にお邪魔することにした。
不思議な感覚なんだけど……
ものすごく大事だって思うんだ。
このふたりが。
花帆が好きだけど、ふたりきりになりたいなんて思わない。
花帆を抱きたいとか、そういう気持ちじゃなくて……
愛花ちゃんと一緒に3人で穏やかな幸せを築いていければいいなって思う。
家族を作りたい。
結婚できるかどうかなんてまだわからないけど、俺にはその気持ちはある。
俺の頭の中には、すっかり3人での暮らしが浮かんでいた。