REGRET ―忘れられない人―
髪を染めても、夜遊びをしても怒らなかった兄貴が・・・・・・
本気で怒ったのは、あれが最初で最後かも知れない。
小遣いをくれない母親に苛立っていた。
ゲームセンターで遊ぶことが楽しかった俺は、小遣いなんてすぐに使ってしまって、いくらあっても足りないくらいだった。
「最近、夜遅すぎるわよ。お小遣いも昨日あげたばかりでしょ」
子供扱いされるのが嫌な年頃。
「お前には関係ねぇだろ」
家族は仲が良かった。
俺が中学で荒れるまでは。
荒れると言っても、特に家族に迷惑をかけているつもりはなかった。
夜遊びをしたり、他校の生徒とケンカ騒ぎを起こしたり・・・・・・
ちょっとしたやんちゃをしていたくらいで。