REGRET ―忘れられない人―
「ちょっと・・・・・・どうしたんだよ」
教室にはみんながいて、俺が花帆を泣かせたって雰囲気になっていた。
俺はその空気に耐え切れず、花帆の手を引っ張って、中庭まで走った。
誰にも見られない場所まで連れて行き、わざと冷たい口調で尋ねた。
「何、泣いてんの?」
真っ白な頬に、キラキラ輝くような涙。
泣いてるくせに、微笑んでいるようにも見えた。
どうしてだろう。
俺は花帆を抱きしめた。
細い体をぎゅっと・・・・・・