REGRET ―忘れられない人―



花帆がいなくなっても俺の心の中にはずっと花帆がいた。




だから、俺は3年になっても、髪を茶色に染めなかった。



優等生のお前に認められるような男になろうと。




その夏休みは、人生で初めて、猛勉強をした。



少しでも近づきたかった。


バカだったから、さすがに一番頭の良い高校は無理だった。




花帆がひとつランクを下げてくれたら・・・・・・

同じ高校に行ける。



そう思いながら、勉強した。



入試までに花帆とやり直せたら、花帆と同じ高校へ行きたいと。




先生も友達もびっくりするくらい成績が伸びた。



やればできるんだと兄貴が言っていたことを思い出した。



そんなきれい事言うなよって思ってたけど、本当にやればできた。






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