REGRET ―忘れられない人―
結婚なんて考えたこともない。
まだ周りの友達も独身ばかりだし、結婚したいほど好きな女もいない。
「あんた、泣いてんじゃないの?」
俺の肩をツンツン突っつくのは、兄貴の嫁さんになる直さんの姉貴。
直さんの姉とは思えない。
名前は『奈美』
「うるせー。ちょっとは黙ってろ」
いつの間にか、こんな風に言い合いばかりする関係になっていた。
顔を見て話すのはまだ2回目だというのに。
俺の一番苦手なタイプ。
ズケズケ人の心ん中に勝手に入ってくる女。
まぁ・・・・・・
仕事ばっかりだった俺には、いい刺激になってはいるが。